2024年2月11日日曜日

クリエイションの記録③

 今日もまた、「部屋」に新たな住人がやってきたようです。

ふわふわした布にくるまれて、なにかが居るみたいですが……?
「この子はカワイイけどちょっと怖い、『こわカワイイ』感じ(笑)
 タイムカプセルみたいな、閉じ込められた時間の感覚のイメージなんだよね」
と弥生さん。


“この子”、弥生さんは天井から吊る予定で持ってきたそうなのですが、
いったん木の机に置いて、本日の作業について段取りを話しながらふと全体を見てみると…
「なんだかこの位置ですごくしっくりきちゃったかも!」


ひとまずこの机の上が今日の定位置ということになりました。

弥生さんが過去に作成したキャプションもいくつか持参。
作品を制作する中でイメージする物語が書き込まれています。



こっそりと柱の裏側にも。
誰か気づいてくれるかな?


また、前回壁面に立てかけるように一度飾ったこちらの絵画作品。
「あえて立てかけておくのも悪くないけど、壁にかけるのもアリだよね…どっちがいいかなぁ」


実際に壁へあてて、見え方を比べながら思案…。
いくつかのパターンを一緒に見ていた辻野シニアディレクターは
「うーん、下に置くと『物』になる!」

正解も不正解もない、感覚の探り合いをしながら作業は進みます。


弥生さんがかつて制作して家に飾っていたもの、なんだか気に入っているもの、ちょっといいかもと思って買ってみたもの…。
作業場であるイベントスペースにそういった品々が集まって、「部屋」で少しずつ各々の居場所を見つけていく。
そんなクリエイションの中では、弥生さん自身も思ってもみなかった発見があるそうです。

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「そこなのか!」「そうか、キミはそこに来たかったのか!」って。
ここに持ってくるまでは全然違うことを思ってたのに(笑)

何もないところに何かを置くから、物語がはじまる。
もの同士、お互いに緊張感がある。
一つひとつは偶然なんだけど、でもつながっていて
時間が経つとなじんできて、そうだと思ってなかったものが「そう」だったり。

前回「忘れ物をしちゃった。でも、何を忘れたのかも 忘れちゃった」ってフレーズが出たけど、これも探し物の途中だね。

「生きてるうちに思い出そう」
「今だよ」
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2024年2月4日日曜日

クリエイションの記録②

 「今日は、ちょっとお店に寄ってから行きますね」

来館に先立って、弥生さんから電話がありました。

古材・古道具を扱う諏訪市のリサイクルショップで探したいものがあるということで、到着を待っていると…


持ち込まれてきたのは、30枚を超える板ガラス!

かつては誰かの家の窓や戸棚などに嵌まっていたガラス達が、解体にあたってリサイクルショップに引き取られ、そして今はアートの素材としてこの「部屋」に。

弥生さんは、2月の冷たい水道水をものともせずジャブジャブと1枚づつガラスの表面を洗っていきました。


一枚一枚は透明に見えても、重なると深い海のような独特の色彩があらわれます。


「部屋」の中央には、古いはしごと布を使ったひときわ目を引くオブジェ。


“滝” と呼ぶそれを整えながら、弥生さんが自身の中にあるイメージを話してくれました。

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これは “はじまりの光” みたいな存在かな? 
繭のような、卵のような世界で、生まれる前の自分をたどる…というか。

自分はなにものか、ほんとに知っているのかな。
そんなことを考える・話す時間ももらえない今日この頃…。

アートって、“自分との旅”だと思うんだよね。
「これは何?」って、「なんでこれが気になるの?」って
気になるものを愛でるっていうか。

今の時代ってとっても目まぐるしくて、経過を楽しむ時間も与えられていない。
そういう時間を持ててないことにも気づけない。

「忘れ物をしちゃった。
 でも、何を忘れたのかも 忘れちゃった」

…そんな感じ?
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「弥生の部屋」の活動を支える辻野シニアディレクターとも、お互いの言葉を咀嚼しながら考えを話しあいます。


布、絵画、ガラス…。
その一つひとつと対話するように、かれらの「部屋」での居場所をじっくりと考えていきました。